吉野杢藝が考える学びは、日常を取り囲む環境全てに存在しているものであると考えています。
カリキュラムだけではなく、「目にみえ、手に触れ、香り、聞こえる全てのもの」を、学びの要素として捉えなおし、
教具に始まり、ライフスタイルに関わるものづくりを行なっています。
知育玩具の様に使用すること自体が学びとなるもの、歴史や技術、素材、考え方など、ものづくりの背景に学びがあるもの、
そして、利用する事で学びに通じる日々の道具など、制作物は様々です。
学びの要素を包含したものを日常に、自然に織り込む事が出来るような設計を目指し、学びをより身近な存在とする道具を生み出します。
カリキュラムで使用される教具の基本3点は吉野杢藝で開発した道具です。
一つめは吉野の檜で出来たマラカスです。蓋が開け閉めできるように設計されており、
子供が中に身の回りにあるものを入れ、素材によって生まれる音の違いを学ぶ事ができます。
二つめは吉野檜のコルクスティックです。打ち合わせて音を鳴らしてリズムを取ったり、
振って感情を表現するなど、リトミック教育では定番の教具ですが、吉野杢藝のスティックには、
先端にリサイクルのシャンパンコルクが取り付けられています。身近なものを優しく叩いてみて、音の響き方の違い、感触の違いを学ぶ事ができます。
最後は、吉野杉のスカーフです。スカーフもシュタイナー教育や、リトミックでは必須の教具で、通常はシルク素材で作られています。
吉野杢藝のスカーフは吉野杉で作られています。木でありながら布の様に空気をはらみ、なびきます。
また独特の質感は、子供の触覚を刺激し、発達を促します。身近な素材の木が布へと変わる驚きを通じて、素材への興味を育み、さらなる学びへと誘います。
吉野杢藝では、考え方から手に触れるものまで、全てを一つの学びのデザインと捉えています。